ごちうさのブログ

ごちうさのブログです

【まんがタイムきららMAX2017年2月号・ごちうさ感想】ココアとチノとラビットハウスの今後についての一考

f:id:shellspider:20170116212244j:plain

あけましておめでとうございます、シェルです。

何かと多忙な時期ですが皆様はいかがお過ごしでしょうか。

私はクソほど寒かったので一日中暖房の効いた部屋でダラダラしてました。

2つ前の記事でも似たような挨拶をした気がするのですが、時の流れとはなんと早いのかとか考えさせられますね。

 

さて、MAX2月号のごちうさ感想でございます。

勿論ネタバレ多分に含みますのでご注意ください。

 

今月のお話は、ごちうさの本筋に関わるような重要な回ではないか……というのは皆さんも感じていると思います。

ごちうさはそれぞれのキャラクターが初登場時から将来に対して夢を持っていて、以前から「卒業」や「進路」といったワードがテーマになってきていました。今回もそれに漏れず将来を暗示させる内容となっていました。ただ、今回は個別の将来を扱うのではなく、もっと大きな枠組みのように感じます。

そして、それは今までの積み重ねがあるからこそ説得力を持って、満を持して今月取り扱われたのではないかと思います。

 

そこでまずは、今月号に関係するこれまでの流れをざっと振り返ってみようと思います。細かい部分も含めると全ては紹介しきれないので、主だった部分だけになりますがご了承ください。

なおごちうさは連載順と単行本の掲載順が違っていますが、私は単行本を最終的な完成稿と考えているため、単行本順に考察していきます。

 

 

2巻第1話 わしもよく笑われたのぅ お前に似て見下すような嘲笑じゃった

f:id:shellspider:20170116213810j:plain

この回ではほぼ初めてチノの母に関する言及がなされます。

幼い頃に母を亡くし、女性のいない環境で育ってきたチノにとって、ココアがその代わりになりつつことあることを表現した心温まるお話で、ココアというキャラクターの性質はこのあたりで確立されていったと言える重要な回です。

アニメ第一期では「ココアがお姉ちゃんではなくお母さんになってしまう」という理由で二期に回されたお話ですが、このココアとチノ母の接点は後に大きな意味を持つようになります。

 

2巻アバンでもチノ→ココアの家族的愛情の片鱗を見せていますね。

f:id:shellspider:20170116215058j:plain

 

 

 

 

2巻第12話 青山スランプマウンテン

f:id:shellspider:20170116213824j:plain

青山スランプマウンテンはごちうさ史の中でも何度も取り上げられる程様々な情報を持った回なのですが、特に重要なのはこの1コマでしょう(このコマ自体は単行本追加ページですが)。

幼いココアがチノのおじいちゃんに魔法をかけ、後にそれが実現することを暗示しているシーンですが、この1コマによってココアに初めて主人公性が付与されたと言っても過言ではありません。

それまでココアの役割というのは主にその持ち前のコミュ力で他のキャラを動かすという部分が強かったのですが、この辺りからココア自身に焦点が当たり始めます。

 

 

 

3巻アバン

f:id:shellspider:20160710184225j:plain

その最たる例はこのシーンでしょう。

今まで主人公として自然的な動きをしてきたココアが、その行動自体に物語上の意味があるということを強調させるシーンですね。

ごちうさ世界のシステムをキャラに説明させるという、ある意味ではメタ的なやり取りです。

このようなココアの主人公性に関する言及は今後どんどん増えていきます。

 

 

 

 3巻第4話 その制服を見た私の頭は洗いたてのブラウスのように真っ白になりました

f:id:shellspider:20170116221736j:plain f:id:shellspider:20170116221744j:plain

再びチノ母に関する言及がなされる回です。

チノとチノ母の関係や、チノ母の人物像については未だに謎な部分が多いのですが、このシーンではチノが「困ったものです」と、普段ココアにかけるような言葉を使っている点から、かなりココアに似た人物だったのでは?と推測できますね。

興味深いのは、チノよりもココアの方がチノ母の作った制服を大切にしている点です。

色々と想像できるシーンですが、個人的にはココアは山奥の暖かい家庭で育った分、家族に対して思い入れが強いのかなぁと感じるシーンです(他にも理由はあると思います)。

魔法能力に関するところもそうですが、ココアには血筋や成育歴のような部分で主人公補正を持っており、この辺の設定は少年漫画チックでもありますね。

 

 

 

4巻第6話 全員攻略完了したので帰ります

f:id:shellspider:20170116223715j:plain

モカ襲来編です。モカ襲来編自体がココア編と言ってもいいくらい、ココアを語るにあたり重要な長編なのですが、長くなりすぎるのでそれは今回置いといて、重要なシーンを1コマ取り出しました。理由はよくわからないですがアニメではカットされてました。

モカ襲来編は元々モカというボスまたは試験官のような存在がココアの成長を確かめにくる(とココア視点からは捉えられる)という話の構造になってます。結果としては、最終的なオチも含めてココアのほぼ全敗というような形となっていますが、そんな強大な存在であるモカにこの一言を言わせた(?)のは大きな意味があるでしょう。

これもココアの主人公性に関する言及です。元々は物語進行の都合上ココアの周りに様々なキャラクターが集まってきたわけですが、その事実すらココアというキャラクターの性質にしてしまうという裏技的手法ですね。このような主人公補正に対して後から意味付けするという手法は、世界観に深みが出るので個人的には好きです。

 

 

 

4巻第11話 親父の部下から扉の破壊工作は任せろと電話来た

f:id:shellspider:20170116224848j:plain

この回ではココアがリゼに嫉妬するような怒り方をするのが印象的です。余談ですが、元々ココアとリゼは少し近しい性質を持つので(リゼに関しての考察は前々回の記事を参照)、この対比は上手いなぁと感じたのを覚えています。

さて、ほとんど怒らないココアが作中でこのような感情表現をすること自体がかなり衝撃的なのですが、それ以上に重要なのはその内容です。

この怒り方(嫉妬)から分かることはココアは自分の「人を集める」「みんなを楽しませる」という性質について自覚しており、誇りを持っていることが伺えるからです。

自分に対する認識(自己理解)というのはキャラクターが動く上で根幹を成す部分、行動原理であり、特に近年のごちうさではキャラが主体的に動くのでその重要性は以前より遥かに大きくなっています。

 

f:id:shellspider:20170116230546j:plain f:id:shellspider:20170116230244j:plain

参考:自分のコミュ力に関して自覚的なココアさん。

(2巻第6話「お話をするお話」;3巻第11話「今日は妹初酔い記念日(ページの途中で破られている)」より)

 

f:id:shellspider:20170116231139j:plain

また同回ではタカヒロが「(チノを)笑顔にさせるのは君の仕事さ」と言及しており、ココアの「周りを笑顔にする」という性質についても信頼が厚いことがわかります。

同時に、タカヒロがチノのことを気にかけてココアやリゼを雇ったことも伺えるので、隠れた名シーンですね。

 

 

 

5巻第4話 帰ってきたココア!そして私たちはもふもふになる!

f:id:shellspider:20170116232220j:plain

ココア帰省回。ここでは全部は語り切れませんがかなり情報量の多い回です

上記のような重要なシーンがサラッと挿入されていて油断できません。

元々魔法的な能力を見せていたココアですが、ここで明確に言及された魔法使いというワードは今後重要になってきます。

 

 

 

f:id:shellspider:20170116233137j:plain

またこの回は、今まで仄めかされるに過ぎなかったココアの夢が明確に語られました。

「みんなを楽しませられる人になりたい」という願望は、ココアがそれについて自覚的に行動してることの傍証でもあります。

物語当初から描かれてきたココアの姉に対する憧れと、将来の夢が完全に一致した瞬間であり、長い時間をかけてココアというキャラクターを描いてきたからこそできるワンシーンですね。これは「日常系」という手法をとっていないと描けないシーンでしょう。

 

 

 

5巻第6話 ラパン・ザ・オールナイト

f:id:shellspider:20170116233738j:plain

ここでもココアの性質に関する言及があります。

この辺まで来るともう珍しい会話ではないのですが、それでもシャロの口からこういう言葉が出るのは珍しいでしょう。

シャロは、メイン5人の中でココアから最も遠い場所に位置すると言っても差し支えないので、シャロの口から、というのは何気に大きいです。

 

 

 

3巻第8話 Cup of Chino

f:id:shellspider:20170117002206j:plain

チノが音楽会のソロパートに選ばれる回です。

その事実自体も今月の話と関係してくるのですが、この回ははっきりとチノ主体で展開された回でもありました。

 

 

f:id:shellspider:20170116234254j:plain

今までココアの主人公性を主に見てきたのですが、チノの主人公性についてもいくらか触れておきます。

この辺りは今回の記事で取り扱うかどうか迷ったのですが、書かずには語れない部分が今月の話にはあるので、軽めに書きます。

チノの主人公性はココアの影響を色濃く受けています。作中でも度々「ココアに似てきた」と言われるチノですが、上記画像はそんな1シーンです(数ある中であえてこのシーンを選んだのは、今月の話でこの歌が出てくるからです)。

 

 

f:id:shellspider:20170116234224j:plain

元々立ち位置的にヒロインだったチノが主体的に行動するようになり主人公的な描かれ方をすることが増えてきました。

これはチノがココアの性格的影響を受けたこと、そしてココアとの関係性が変化したことが言えます。

最初はココアに対して拒否的な側面のあったチノが、話が進むにつれココアの積極的な部分を受け入れるようになっていき、次第に心の拠り所(家族的愛情)になっていきます。

こうした安心できる存在により、チノは自分に自信が持て主体的に行動していくようになったと考えられます。

 

ところで、よくココチノが百合と解釈されますが僕はそうは思いません。その関係性はホームであり、そこを拠点に新しい環境に挑戦していく、家族的な居場所だと思います。

 

f:id:shellspider:20160710013037j:plain f:id:shellspider:20160710013139j:plain

参考:チノがココアを受け入れるワンシーン

(4巻第14話「チノちゃん、私も!私もマッチョに撮って!」より)

 

 

  

5巻第9話 首振りうさぎってコレクターの間で高値で取引されていたみたいです…

f:id:shellspider:20170117001114j:plain

話戻ってココアのお話。

帰省回でマジシャンについて言及されてたココアですが、この回では手品道具を獲得します。

そしてこの回では直接的に出てこないものの、チノ母に関する言及がいくらかあり、扉絵ではココアの背後に描かれ、本格的にこの2人を繋げてきましたね。

この時点では、帰省回の「魔法使い」の話の続きくらいのイメージで、チノ母がこれ以降しばらく出番がなくなることもあり、物語上どういう意味があるのかまだもやっとしてました。

f:id:shellspider:20170117001552j:plain

 

 

 

まんがタイムきららMAX2016年10月号(単行本未収録)

f:id:shellspider:20170117001801j:plain

チノの「動物が懐かない」というかなり初期からある設定を使って、チノが明るくなったことを表現した最後のワンシーン。

設定の理由付けその設定を用いた変化の表現その克服というこの話の作り方もとても上手くて感心したのを覚えています。

そして、チノが明るくなったことが作中で明確に表現されたのはこれが初めてです(今までも示唆することはありましたが)。

 

 

 

まんがタイムきららMAX2016年12月号(単行本未収録)

f:id:shellspider:20170117005331j:plain

さて、読者の度肝を抜かせたハロウィン回後編。

今月の話はこの回の直接的な続きと言っていいでしょう。

 

余談。

この回については個別の記事で深く書きたかったのですが、当時時間がとれず記事にできなかった悔しい思い出もあります。

ハロウィンという題材を単なるイベントとして消費するのではなく、死者の魂が戻ってくるという起源的な要素を膨らませて話を作っていたのが印象的でした。

クリスマス回はお仕事がテーマでしたし、文化祭もただ楽しむだけでなく思うところが色々あったりと、ごちうさは定番イベントを変化球の使い方をしてくるので油断できませんね。

内容としては、今までのごちうさと比べてもかなり異色の回で、ココアが死者の世界に迷い込んで、チノ母から手品を伝授するというファンタジー全開の内容でした。

ハロウィンとチノ母を絡めてくるのか完全に予想外でしたし、ここまでガッツリ登場するとは思わなかったので読んでて何度も驚かされました。

ただ、元々がファンタジーとしての土台を持った作品なので、全く違和感なく読めたと思います。

今まで謎だったティッピー(本体)が既に死んでいることも判明して全体的に切なさがありましたね。

 

この回の感想はこの辺にして本題に戻りましょうか。

 

 

 

f:id:shellspider:20170117011244j:plain f:id:shellspider:20170117011251j:plain

この回でココアはチノ母の手品を継承します。

元々、魔法使いの夢を持っており、姉のように周りを楽しませるような人になりたいという思いから、チノ母の手品グッズを受け継ぎました。

この回ではそれがさらに形を持ったわけですが、そこからもう一段階具体性を持つのが今月の話というわけです。

 

 

 

さて、前置きが長くなりましたが、今月のお話を見ていきましょう。

ごちうさという作品の、今のテーマは何でしょうか。

それはおそらく「将来」と言っていいでしょう。すべてのキャラ個別回を見ても、将来に関する言及は多く、作中の時期的にも卒業が近くなっています。

「将来」と一言に言っても、リゼの将来、千夜の将来、色々と出てきましたが、今回のテーマはココア&チノ、ひいてはラビットハウスの将来でしょう。

 

 

f:id:shellspider:20170117013329j:plain f:id:shellspider:20170117013335j:plain

今月もっとも印象的だったシーンである2人の弾き語りの部分。

ココアがチノに歌を誘う時のこの流れるようなやり取りは、先ほど述べた関係性の変化を体現しています。以前――例えばアニメ二期終了直後くらいの時点――ではこのようなやり取りはまだできなかったんじゃないかと思います。

また、弾きのココア+歌のチノという並び自体も非常に絵になります。私たちが、この2人の並びが「映える」と感じるのは、アニメ二期以来公式でずっとココチノを推してきたというのもあるでしょうが、それ以上に今まで積み重ねてきた2人の関係が大きいのではないでしょうか。

この絵の中でココアとチノは対等の関係にあります。それは、ココアとチノがそれぞれ主人公性とでも呼ぶべき主体性を獲得して、個として確立した今の2人があるからです。どちらかがどちらかの引き立て役になっているわけでない、完全な対等だからこそ、「映える」と感じるのだと思います。

 

それともう一つ目につくのは「まぁ一曲、ね?」という誘い方。ココアが無理言ってチノに歌をお願いするのではなく、この一言だけで答えてくれるだろういう信頼感が感じられますね。

このシーンはココアの表情も大人っぽく描かれていて未来を想起させます。この2人の並びこそが、将来の暗示となっている構図なのです。

 

ところで、チノが歌担当というのは音楽会回で出てきた設定をここで使ってきたわけですが、ココアがアコーディオンを弾ける設定は初出ですね。とはいえ、ココアはかなり育ちが良いことが示唆されてきたので特段違和感はありません。むしろ今までのイラストでも楽器を弾いているココアは何度か出てきていますし、ごちうさのキャラと楽器の親和性はかなり高いものでしょう。

 

f:id:shellspider:20170117024935j:plain

参考:今回の話に雰囲気の近いジャズのイラスト

(まんがタイムきららMAX2012年2月号表紙より)

 

 

 

f:id:shellspider:20170117015625j:plain

そして、今月の扉絵にもなっているこの5人のショー。これはココアの「みんなを楽しませられる人になりたい」という思いと、人と人を繋ぎとめる性質が表象となったものです。

これはただのココアの未来予想と捉えてしまえばそれまでですが、メタ的に見れば5人の今後を暗示していると考えることも可能です。

ここまで挙げてきた要素は全てこの1コマに集約されます。この1コマこそが今月最大の伏線回収なのです。

 

チノはラビットハウスを継ぐでしょうが、リゼはいずれラビットハウスを辞め先生の道を進み、千夜は千夜で甘兎を継ぐでしょう。彼女達のキャリアがラビットハウスという職場で交わることはないはず。

しかしそれでもこのような未来がイメージされるのは、昔の交友関係がその後も続いていた実例が彼女らの身近にあるからです。

 

 

f:id:shellspider:20170117021448j:plain

それは、チノ母・タカヒロ・リゼ父で構成されるジャズバンドです。

 

ごちうさの詳しい時系列は明らかにされていませんが、「父がラビットハウスをジャズで盛り上げた」というチノの発言と照らし合わせると、おそらくこの時点でタカヒロは軍を退役してラビットハウスを継いでいたのではないか?と思われます。

したがって、この時点でタカヒロはラビットハウスのマスターであり、リゼ父は友人としてラビットハウスのジャズバンドに顔を出していることになります。

またタカヒロとリゼ父の交友関係は軍隊という職場で築かれています。チノ母とリゼ父の関係はよくわかっていませんが、おそらくこの3人は元々職場関係で出会った友人同士だったのかもしれませんね。

 

そのように考えると、この3人の関係は現在のココア・チノ・リゼの関係と似ています。映ってないだけで他にもメンバーがいるかもしれません。

ココアが「その写真すごくいいよねっ」と感じるのは、今の自分達・未来の自分達をこの写真と重ね合わせてるからではないでしょうか。